吉方位の南東へ。西国三十三か所参り③施福寺への山登り

大阪府和泉市、槇尾山にある西国三十三所第四番札所・施福寺(せふくじ)。
前回の記事では、施福寺の駐車場に到着し、そこで竹の杖を発見。
さらに、
「片道30~40分かな。頑張って」
と送り出されたところまでお話ししました。
片道30~40分。
しかも目の前には竹の杖。
どうやら普通のお寺参りではなさそうです。
でも、ここまで来たら仕方ない。
登るしかない。
竹の杖を手に、施福寺を目指して出発しました。
緑の中を、いざ施福寺へ
最初は、うっそうと茂る緑の下を舗装された坂道が続きます。
木々に囲まれているので日差しは遮られているものの、進むにつれて徐々に傾斜がきつくなってきます。
息が上がり、
汗が噴き出す。
入山料を払ったところの女性が、
「今日はちょっと涼しいから、まだいいわ」
と言っていた意味が、ようやく分かってきました。
いやこれ、いつもの酷暑日やったら死んでたな……。
本気でそう思いました。
仁王門が見えた!……と思ったら
はぁ、はぁ言いながら登ること10分ほど。
すると山の中に、
仁王門が見えてきました。

やった!
たどり着いたーーーー!
……と思ったのも、つかの間。
仁王門をくぐってみると、
その先に見える景色は……
山。
どこを見ても、
山。
お寺は?
しかも、それまで舗装されていた道は、ここから未舗装の山道へと変わります。
夫が言いました。
「まだ10分ほどやで。30~40分って言うてたやん」
…………。
え?
まさか、これから……?
ここで私の頭に浮かんだのが、以前登った奈良の大神神社の山。
あのときの山登りが思い出されます。
嫌な予感しかしません。
足元を見ながら、一歩ずつ
ここからは、とにかく足元を見て歩きます。

石段を一段、一段。
しっかり踏みしめないと転びそうです。
時々立ち止まって、
周りの緑を眺めながら深呼吸。
そして、また登る。
途中、山を下りてくる方ともすれ違います。
「こんにちは」
と挨拶を交わす。
こういうときって、不思議ですよね。
まったく知らない人なのに、同じ山道を歩いているというだけで、
なんとなく連帯感があるというか、
仲間のような親しみがわくんです。
「あ、この人も登ったんや」
「私らも頑張ろう」
そんな気持ちになります。
とはいえ、
足の筋肉はもうパンパン。
でも、ここまで来て登るのをやめるわけにもいきません。
「あ、建物が見える」
すると前を歩いていた夫が、
「あ、建物が見える」
と言いました。
おおっ!
と思って上を見上げますが……
汗が目に入る。
痛い。
もう建物どころではありません(笑)
ひたすら足元を見ながら、
一歩、一歩。
そして山道を登っていると、
弘法大師の剃髪所
なるものが現れました。
そして、その前には……
急勾配の石段。

その石段を見た瞬間。
ここにきて、ようやく前回の記憶がよみがえりました。
遅いねん。
そうや!
これや!
この最後の階段が、めっちゃキツかったんや!
思い出したところで、
もう遅い(笑)
最後に待っていた145段
手すりにつかまり、
竹の杖をつき、
残っている力を振り絞ります。
一段。
また一段。
そして、ようやく最後の石段を登り切りました。
すると夫が、
「最後の石段、145段あったやろ」
…………。
余裕があるのね~💦
そんなもん、
数えてられるかいな。
こっちは登るだけで必死です(笑)
でも。
登り切った先から振り返ると、
山の木々の間に、
大阪の街と大阪湾が見えました。
やっと……
登れた。
もう、この達成感でいっぱいです。
ちなみに、この時点で私のタオルハンカチは汗でドロドロ。
Tシャツも汗だく。
完全に、
部活終わりです(笑)
約1kmの「観音八丁」
後から調べてみると、私たちが登ってきたこの道は、
「観音八丁」
と呼ばれる参道なのだそうです。
距離にして約1km。
急勾配の山道や石段が続く道です。
……そら、しんどいわ(笑)
前日まで雨が降っていたとき、
夫が、
「雨やったら施福寺、行かれへんぞ」
と言っていた意味も、今ならよく分かります。
そして、天気予報がいい方に外れてくれたことにも感謝です。
もし雨だったら。
もし、いつものような酷暑日だったら。
この山道を登るのは、かなり大変だったと思います。
さあ。
これだけ頑張って登ってきたんです。
ようやく、
施福寺へお参りします。
山の上のお寺では、どんな景色が待っていたのでしょう。
「吉方位の南東へ。西国三十三か所参り④」へ続きます。

