赤い鼻の姫が、最後に一番幸せになった話 ―紅花栄(べにばなさかう)と末摘花のこと―
明日5月26日、七十二候が「紅花栄(べにばなさかう)」に進みます。
紅花(べにばな)が盛んに咲く季節。
この紅花の別名、知ってます?
「末摘花(すえつむはな)」
そう、あの源氏物語のヒロインと同じ名前なんです。
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中学生のころ、少女漫画が大好きだった私。
大和和紀先生の「あさきゆめみし」を読んで
大人の恋に憧れていました。
光源氏は完璧なイケメンで、次々と素敵な女性と恋をして……
そんな華やかな世界の中に、ひとりとびきり「浮いてる」ヒロインがいるんです。
それが、末摘花の姫。
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彼女のビジュアル、聞いてびっくり。
・鼻の先が長くて、しかも赤い(象みたいやって)
・痩せっぽちで、座高が異常に高い
・でも髪だけは、びっくりするほど美しい
光源氏が初めて明るいところで彼女の顔を見た時のショックたるや……。
「うわ!思てたんと違う!!!」って、心の中で絶叫したはず(笑)。
普通ならここでフェードアウトするのに、
「こんな容姿の姫を、自分が捨てたら誰が世話するんや……」
って妙な義務感を抱いてしまうのが、さすが光源氏なんですよね。
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しかも、この姫、とにかく「センス」が致命的。
見かねた源氏が超おしゃれな着物をプレゼントして、
粋なラブレター(和歌)を送るわけです。
現代でいうたら、気になる彼から
「これ、君に似合うと思って。今度デートに着てきてよ(ハート)」
みたいなメッセージが来たようなもん。
そしたら、末摘花からの返信がこれ。
「からころも またからころも からころも
かへすがへすも からころもかな」
(意訳:お着物、またお着物、お着物ですねえ、本当に本当にお着物ですねえ)
……って、語彙力どこ行ったん!?(笑)
200年以上前の大昔のテンプレをそのまま使って、
源氏のオシャレなアプローチにも気づかず、全力のド真面目で返してくる。
源氏、スマホ(ないけど)握りしめて頭抱えたやろうな。
でも、そのあまりの不器用さに
逆に「なんか、放っとかれへん……」って愛着が湧いていくんです。
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そして、ここからが末摘花の真骨頂。
源氏が政治的に失脚して、都を離れた暗黒期。
もちろん、彼女への仕送りもストップ。
周りは「もうあんな男は忘れて、地方へ嫁に行きなさい」と勧める。
お屋敷は荒れ果てて、キツネやタヌキの巣窟。
それでも彼女は「源氏様は必ず帰ってくる」と、
ひたすら待ち続けた。
流行りの男に乗り換える器用さなんて、彼女にはなかったから。
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数年後、京都に戻った源氏が、
雨の夜にたまたまその荒れ屋敷の前を通りかかります。
「こんなお化け屋敷みたいなとこ、まだ誰か住んでるんか?」
と立ち寄ると……
そこには、ボロボロになりながらも
一途に自分を待ち続けていた末摘花がいた。
源氏、大感動。
自分の浮気性を深く深く反省するんです。
そして彼女を自分の大邸宅(二条院)に迎え入れ、
一生、経済的にも身分的にも100%保障した。
美女たちが次々と出家したり亡くなったりする中で、
彼女が一番、最後までおだやかに大勝利したわけです。
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ね、これって不美人の一発逆転シンデレラストーリーちゃうんです。
愛想も、世渡りの器用さも持たないまま、
ただ「自分を曲げなかった」人間が、
最後に「一番安定した幸せ」を掴んだ話。
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明日から「紅花栄」。
紅花の別名が「末摘花」やと知ると、
この花を見る目が変わりません?
赤い花びらの先っちょが、なんだか愛おしく見えてくる(笑)。
器用に立ち回れんでええ。
流行りに乗れんでええ。
あなたが頑固なまでに「自分」を曲げずにいること。
それ、数年後に大化けする才能やから。
自分のままで、どっしり構えててな。
今日も読んでくれてありがとうございます。
みずほ

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