芒種を迎えます。雨の季節と、6歳の稽古始めの話

近畿地方も昨日、梅雨入りしましたね。

朝から空がどんよりしていて、
湿気を含んだ空気がまとわりつくような感じ。

洗濯物は乾きにくいし、
髪の毛は思うようにまとまらないし、
なんとなく身体も重だるい。

毎年のこととはいえ、
「今年もこの季節が来たかぁ」と思ってしまいます。

そんな中、明日6月6日は二十四節気の**「芒種(ぼうしゅ)」**を迎えます。


芒種とはどんな季節?

芒種は一年を24に分けた二十四節気の第9番目。

毎年6月5日頃から6月20日頃までを指します。

「芒(のぎ)」とは、
稲や麦などイネ科植物の穂先についている
針のような突起のこと。

つまり芒種とは、

「芒のある穀物の種をまく頃」

という意味になります。

昔の日本では、
この時期が田植えや農作業の大切な目安でした。

今では機械化が進み、
田植えの時期も地域によってさまざまですが、

田んぼに水が入り、
若い稲が風に揺れる景色を見ると、

「ああ、今年も夏が近づいているんだな」

と感じます。


雨は少し厄介。でも命を育てるもの

芒種を迎える頃は、
ちょうど梅雨入りの時期でもあります。

暦の上でも実際の気候でも、
雨の季節へと移り変わる頃。

最近の雨は昔と少し違っていて、

しとしと降り続くというより、

突然バケツをひっくり返したような豪雨になったり、
熱帯地方のスコールのような降り方をしたり。

災害への備えも必要な時代になりました。

でも一方で、

雨は私たちが生きるために欠かせない存在でもあります。

田んぼに水を届け、
野菜を育て、
川を満たし、
私たちの飲み水になる。

当たり前すぎて忘れてしまいますが、

地球上のあらゆる命は、
雨によって支えられているんですよね。

雨の日は少し気分が沈みがちですが、

紫陽花が美しく色づくのもこの季節。

夜になればホタルの便りも聞こえ始めます。

晴れの日には見えない景色がある。

そう思うと、
雨の日も少しだけ愛おしく感じます。


芒種を調べていて見つけた面白い話

今回、芒種について調べているときに、
思わず「へぇ!」となる話を見つけました。

それが、

「6歳の6月6日に習い事を始めると上達する」

という昔からの言い伝えです。

実は6月6日は今でも

  • 楽器の日
  • 邦楽の日
  • いけばなの日
  • 習字の日
  • お稽古の日

などとして知られています。

なぜ6月6日なのか。

理由はいくつかあるようですが、
昔の人らしい面白い発想もあります。

指を折って数を数えていくと、
6でちょうど小指が立つ形になる。

これが

「子が立つ」
「成長する」

につながる縁起の良い形と考えられたそうです。

なんとも日本らしい発想ですよね。


数え年で考えると…

ところでこの言い伝え、

実は現在の6歳ではなく、

数え年で7歳
(今の満年齢では6歳)

が元になっています。

数え年という言葉は知っていても、

実際どう数えるのか
あやふやな人も多いのではないでしょうか。

正直に言うと、
私もそうでした(笑)

数え年は、

生まれた時を1歳とし、
元日を迎えるたびに1歳加える数え方です。

つまり私は今年59歳ですが、

数え年で数えると……

もう60歳。

還暦やん(笑)

調べながら思わず声が出ました。


世阿弥が残した、驚くほど現代的な教え

さらに調べていくと、
この「6歳の6月6日」の話は、

室町時代に能を大成させた
**世阿弥(ぜあみ)**が記した

『風姿花伝(ふうしかでん)』

に由来していることがわかりました。

その中には、

「この芸において、おほかた、七歳を以て初めとす」

と書かれています。

ここまでは有名な話なのですが、

私が感心したのは、
その後に続く考え方でした。

世阿弥は、

子どもが自然にやっていることの中に、
その子の得意なことがある。

だから無理に矯正したり、
細かく注意しすぎたりせず、

まずは本人の興味や楽しさを大切にしなさい。

という意味のことを書いているのです。


600年前の子育て論とは思えない

これを読んだ時、

「600年前の人が言うこと?」

と思いました。

今でも子育て本に載っていそうな内容です。

私たちはつい、

「ちゃんとしなさい」

「それは違う」

「こうした方がいい」

と言いたくなります。

もちろん教えることも大切ですが、

言い過ぎると、
子ども自身が持っている

「やってみたい」

という気持ちを消してしまう。

世阿弥はそれを知っていたのでしょう。

読んでいて、

「これ、子育て中の私に教えてほしかったなぁ」

と本気で思いました。


実は大人にも当てはまる話

でもこれは、
子どもだけの話ではない気がします。

私たち大人も、

「今さら始めても遅いかな」

「自分には向いてないかも」

「若い人の方が上手やし」

そんなことを考えて、
やる前から諦めてしまうことがあります。

けれど世阿弥の言葉を読むと、

人は好きなことだから続けられるし、
続けるから育つ。

そんな当たり前だけど大切なことを思い出させてくれます。


私も今になって新しいことを始めている

振り返れば私自身も、

看護師として35年以上働いたあと、

占い師として独立しました。

さらにホームページを作ったり、
noteを書いたり、
メルマガを書いたり。

60歳を前にして、
まだ新しいことを覚えています。

若い頃の私が見たら、

「何やってるん?」

と言うかもしれません(笑)

でも、
だからこそ思うんです。

人生は案外、
何歳からでも新しい種を蒔けるんやなと。


芒種は「種を蒔く季節」

芒種は本来、
田んぼや畑に種を蒔く季節です。

でも私たちの暮らしの中では、

  • 新しい学びを始める
  • 本を読む
  • 習い事を始める
  • 興味のあることを調べてみる
  • 会いたい人に会いに行く

そんな小さな一歩も、
ひとつの種まきなのかもしれません。

すぐに芽は出ないかもしれない。

でも種を蒔かなければ、
芽も出ない。

雨が降り、
土が潤い、
少しずつ育っていく。

そんな自然の流れを見ていると、

焦らなくてもいいんだなと思えます。


おわりに

梅雨の季節が始まりました。

雨の日は何かと不便もあります。

けれど雨があるから、
紫陽花は美しく咲き、
田んぼは潤い、
私たちは秋に実りを受け取ることができます。

そして芒種は、

種を蒔く季節。

もし今、

「ちょっと気になるな」
「やってみたいな」

と思っていることがあるなら、

その気持ちを大切にしてみてください。

今日蒔いた小さな種が、
数か月後、
数年後に思いがけない実りになるかもしれません。

雨音を聞きながら、
そんなことを考えた芒種前日の夜でした。🌾☔✨

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