腐草為蛍|はかないから、美しいのかもしれへん

6月11日から七十二候は、
第二十六候「腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)」
を迎えます。
梅雨の湿り気を帯びた草むらの中で、
小さな光が舞い始める頃。
昔の人はその様子を見て、
「腐った草が蛍になった」と考えました。
もちろん実際には違うのですが、
そう思いたくなるほど幻想的な光景だったのでしょう。
草が蛍になると思われていた頃
「腐草為蛍」という言葉は中国の古い暦に由来します。
じめじめした梅雨の季節。
枯れ草が腐り始める頃になると、
どこからともなく蛍が現れる。
昔の人には、
草が姿を変えて光になったように見えたのかもしれません。
現代の私たちは蛍の生態を知っていますが、
それでも夜の川辺に浮かぶ光を見ると、
少しだけその気持ちがわかるような気がします。
子どもの頃の蛍の記憶
子どもの頃、
私の住んでいた地域にも蛍がおったような気がします。
夜になると、
見に行った記憶があるんですよね。
最近はどうなんやろ。
まだおるんかな。
蛍が住める川というのは、
それだけ自然が残っているということでもあります。
もし今も飛んでいるなら、
久しぶりに見に行ってみたいなぁと思います。
一年かけて光になる
蛍は去年の今頃に産み落とされた卵から始まり、
一年近くを水の中で過ごします。
そして初夏になってようやく羽化し、
成虫として空を飛びます。
ところが、
その寿命はわずか1〜2週間ほど。
しかも成虫になると口は退化していて、
何も食べません。
幼虫時代に蓄えたエネルギーだけで光り、
恋をして(していると思いたい)、
命をつないでいきます。
だから美しいのかもしれへん
私たちが見ている蛍の光は、
一年かけて準備された命の輝きです。
ほんの短い時間しか見ることができない。
だからこそ、
あの光は心に残るのかもしれません。
ずっとそこにある安心感も素敵ですが、
限られた時間しか見られないものには、
また違った美しさがあります。
今が旬のもの
・トマト
・茗荷(みょうが)
・紫陽花(あじさい)
・スルメイカ
・蛍
梅雨の季節は雨ばかりで少し憂うつになりがちですが、
自然の中では確かに季節が進んでいます。
蛍の豆知識
蛍が最も活発に飛ぶのは、
- 日没後から約1時間
- 気温20℃以上
- 風が弱い
- 湿度が高い曇りの夜
だと言われています。
もし近くに蛍が見られる場所があるなら、
今週は見頃かもしれません。
一年かけて準備した小さな光が、
静かに夜を照らしている季節です。✨
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