暦の片隅で見つけた「チャグチャグ馬コ」

暦などを確認するために、
私は小さな「携帯簡易実占便覧」という本を使っています。
ある日、明日の季節の行事の欄を見ていたら、
小さな文字で
「チャグチャグ馬コ」
と書いてありました。
なんやこれ?
気になると調べずにはおられへん私です(笑)
さっそく調べてみると、
チャグチャグ馬コは、岩手県で毎年6月に行われる伝統行事でした。
色鮮やかな装束をまとった馬たちが、
滝沢市の蒼前神社から盛岡八幡宮まで、
約14キロの道のりを行進するお祭りです。
馬につけられた鈴が、歩くたびに
チャグチャグ
チャグチャグ
と鳴ることから、
この名前が付いたそうです。
なんとも可愛らしい響きですよね。
でも調べていくと、
これは単なる観光行事ではありませんでした。
もともとは、田植え前後の重労働で疲れた馬たちの無病息災を願い、
人と馬が一緒に神社へお参りしたことが始まりだそうです。
昔の農家にとって、馬は大切な働き手であり、家族のような存在。
人と馬が同じ家で暮らす「南部曲り家」にも見られるように、
岩手の暮らしの中では、馬はとても身近で大切な存在だったのですね。
田んぼを耕し、荷物を運び、
日々の暮らしを一緒に支えてくれる馬。
その馬に感謝し、労わり、
無事を祈る日があった。
なんだか、ええ話やなぁと思いました。
そしてこのチャグチャグ馬コの鈴の音は、
環境省の「残したい日本の音風景100選」にも選ばれているそうです。
初夏の風の中、
色とりどりの装束をまとった馬たちが歩き、
鈴の音がチャグチャグと響く。
きっと実際に聞いたら、
胸の奥に残る音なんやろうなぁと思います。
え〜、なんか素敵。
私は何でも興味を持つし、
こういうものを知ると、すぐに
「見てみたいなぁ」
と思ってしまいます。
岩手県かぁ。
姫路から見ると、岩手県は北東の方角になります。
北東が吉方位になったときに、
いつかチャグチャグ馬コを見に行けたら素敵ですね。
……と思ったのですが、
あ、来年の6月は凶方位やん。
残念だわ(笑)
でも、方位が合わない年は無理に動かず、
「いつか行きたい場所リスト」にそっと入れておくのも楽しいものです。
吉方位になったときに、
その土地の風に触れ、
その土地の音を聴き、
その土地の文化に出会う。
そんな旅ができたら、
きっと心に残る時間になるでしょうね。
そして、実際に行けなくても、
チャグチャグ馬コを模した木のおもちゃもあるそうです。
旅先や民芸品のお店で出会えたら、
たぶん私は連れて帰ってしまう気がします。
暦を見ていると、
知らなかった土地の文化や、
昔から続く人々の暮らしにふと出会います。
小さな文字で書かれた行事名から、
遠い土地の風景が広がっていく。
これもまた、
暦を眺める楽しみのひとつですね。
季節はただ過ぎていくものではなく、
昔の人たちの祈りや、暮らしの知恵や、
人と自然とのつながりを運んできてくれます。
チャグチャグ馬コ。
名前の可愛らしさに惹かれて調べてみたら、
そこには、人と馬が共に暮らしてきた時間と、
農の営みを支えてくれた存在への感謝がありました。
知らないことを知るたびに、
世界は少し広くなります。
そして、暦の小さな一行が、
いつかの旅のきっかけになるのかもしれませんね。
