大吉日が大凶日に転落した「三隣亡」の話

明日・5月25日は「三隣亡(さんりんぼう)」という日です。

建築の大凶日として知られていて、「この日に家を建てると三軒隣まで滅ぼす」と言われています。

なかなかの破壊力ある言い伝えですよね(笑)。

でも実は、この三隣亡にはちょっと驚きのルーツがあって。

元々は「三輪宝(さんりんぼう)」と書く、屋根葺きや土起こしに最良とされた大吉日やったんです。

それが江戸時代のある時期、暦を書き写す過程での誤記によって「三隣亡」という字に変わってしまい、

漢字のイメージそのまま「三軒を亡ぼす凶日」として定着してしまった。

誤字ひとつが数百年の「迷信」を生んでしまったわけで、

なんか笑えるようで、笑えない話やと思います。

しかも面白いのが、「建築の大凶日」であるはずの三隣亡が、

大安や一粒万倍日などの吉日と重なることが毎年必ずあるんです。

最高の吉日と最大の建築凶日が同じ日に来る。

「縁起がいいのか悪いのかわからへん日」がシステム上どうしても生まれてしまう。

暦って、合理的なようで、人間くさくて面白いなあと思うんですよね。

ちなみに三隣亡はあくまで「建築の凶日」なので、

引っ越しや結婚などには関係ないとされています。

そこだけ聞くと、ちょっとほっとしませんか(笑)。


そんな三隣亡のことを書きながら、ふと頭に浮かんだことがあって。

うちの隣の土地、しばらく前から宅地として売り出されてるんです。

田舎ということもあってか、なかなか買い手はつかないみたいなんですが。

正直に言うと……このままでいてほしいな、という気持ちがある(笑)。

田んぼの中の一軒家、という今の景色が、私はけっこう好きで。

窓から見える空の広さとか、

朝の静けさとか、

「ここにいる」という感覚が、この景色に支えられてる気がするんですよね。

新しい家が建って、誰かが引っ越してくることは、

もちろん悪いことじゃないし、むしろ賑やかになるかもしれない。

でも、勝手な話ですけど、今の景色のまま続いてほしいなと思う自分がいる。

明日が三隣亡だから建てられへん、というわけじゃないけれど(笑)、

「どうかそのままで」という気持ちが、

三隣亡という日とひそかにリンクしてしまった、今日の夕暮れどきです。


あなたには、「変わらないでいてほしい景色」はありますか?

日常の中に溶け込んでいて、ふだんは意識もしないような景色。

でもいざなくなりそうになると、思いのほか大切だったと気づくもの。

そういう「日常の愛着」が教えてくれるものって、

実はその人の暮らしの軸みたいなものかもしれないな、と思います。


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