第13話|風は、また吹く
【氣の羅針盤】誰かの物語、そしてあなたの物語:第13話
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九星氣学鑑定の中で、
実際にご相談いただいた内容をもとに、
個人が特定されないよう背景を変えながら、
ひとつの物語として記しています。
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「別れる、って言われました。」
それが、ご相談のはじまりでした。
29歳の女性、 美里さん(仮名)。
九月の初め、 二人は距離を置くことにしました。
そして先日、 久しぶりに会った彼から 言葉が出てきた。
「結婚も、同棲も、考えられない。」
言葉は短かった。
でも、その重さは じわりじわりと 心の奥まで沁みていった。
彼は飲食店を経営していて、 忙しい人でした。
それでも、 二人の時間を きちんと作ってくれていた。
愛情がなかったわけじゃない。
ただ、美里さんの中で 嫉妬や妬みが うまくおさまらなかった。
「わかってるんです、 自分でも。」
そう言いながら、 少し目を伏せた。
九星氣学で拝見すると、 美里さんは四緑木星。
風の星です。
感受性が豊かで、
人の気持ちの機微を 自然と受け取ることができる。
そして彼もまた、 四緑木星でした。
同じ風を持つ二人が 惹かれ合ったのは、
自然なことだったと思います。
似た感性、似た空気感。
最初はきっと、
同じ風がそっと重なるような 心地よさがあったはずです。
でも——
風と風が出会うとき、 いつも穏やかとは限らない。
お互いの揺れが重なりすぎると、
そよ風はいつのまにか 向かい風になっていく。
どちらが悪いということではない。
同じ繊細さを持つ二人が、
風向きを合わせられなかった 時期だったのだと思います。
美里さんの傾斜は、 艮宮(ごんきゅう)。
山の象意を持ちます。
山は動かない。
嵐が来ても、 雨が降っても、 ただそこに在り続ける。
その静けさの中に、 本当の強さがあります。
今は、急いで動く時期ではない。
一度立ち止まって、
自分という山に しっかりと根を張り直す時間が 来ています。
「今は、復縁よりも、 自己再生の時期かもしれません。」
そうお伝えすると、
美里さんはしばらく 静かに聞いていました。
流れを拝見すると、
秋から冬にかけて、 少しずつ光が差してきます。
十月、目の前のことに 丁寧に向き合う中で、
内側がじわりと回復していく。
十一月、 心が少しずつ開き始める。
十二月、 愛に対して前向きになれる風が 吹いてきます。
鑑定を終えて、 美里さんがこう言ってくれました。
「自分の輝きを 取り戻せそうと思えました。」
その言葉が、すべてでした。
四緑木星は、風の星。
止まっている風は、ない。
美里さんが 自分という山に根を張り、
自分らしく輝き始めたとき、
風はきっと また吹いてくる。
今度は、同じ方向に。
これは、誰かの物語。
そしてきっと—— あなたの物語でもあります。
止められなかった感情を、
あなたは今、責めていませんか——それはきっと、深く愛していたというあなたの正直さでした。

